術後の生活

オペが終わった。

とても幸せな光の中から現実の世界に引き戻されていく。できればこのままでいたい。

意識がはっきりとして身体の感覚が徐々に蘇り、周りの人の、声が聞こえてくる。のどに違和感を感じて声はまだ出ない。身体という乗り物に意識が乗り移っていくような感じがする。話しかけてくる周りの人に応えようと必死に喋ろうとしている自分がいる。

集中治療のベッドに寝かされるが麻酔が効いていて身体の感覚がまだない。
する事もなく時間が過ぎていく。呼吸が浅く深く吸う事ができない。身体もほとんど動かない。脚には変な機械がつけられ時間でギューとしまる。
集中治療室の看護士さんには手取り足取り親切にしてもらったが、ストーマにつけるパウチをセットする時に若い看護士の心の声が漏れてきて大丈夫かなと思う時があった。最初は誰もがそうなのだろうが、この病院には新人さんが沢山いるようだ。

次の日午後3時に一般病棟へ移された。車椅子で行くのが普通らしいが、身体を、起こすと気分が悪くベッドでの移動になった。病室に戻ってきても動く事はできないが、動け動けと言う。
術後2日目なんとか立ち上がって2、3本歩いたがお腹が痛くてそれ以上は無理だった。お腹は痛いが空腹感はあって美味しいものが早く食べたい〜と思う。この痛みと関係ないんかい!

自分のストーマも始めて見た。看護士が変えてくれる時に大きいと言っていた。まぁ小さくなるらしいが、身体を動かす仕事なので大きめにしたと先生は言っていた。
覚悟はしていたが実際に自分のストーマを見ると、その姿にショックは隠せない。これからの生活に想いを馳せる。最初はしょうがないかぁ。

病院のスケジュールがドンドン進んでいく、あれしましょう、これしましょうと、せわしい。病院はもっとゆっくり時間が流れているのかと思っていた。看護師も目まぐるしく変わりまるでIT企業の営業みたいだ。

入院前に借りた「羆嵐」という小説を読み終えた。戦前の日本人の自然との闘いが描かれていた。厳しい生活の中でもたくましく生きていく姿や頑なな人間のサガには見習うべき憧憬がある。

2018年4月16日

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